少し前までの田園では、空を覆うばかりのトンボや賑やかなカエルの声、水路のホタルや様々な魚たちの姿が身近な存在でした。ところが今、そうした生きものたちが次第に少なくなってきています。農業は生きものたちからの恵みなしには成立しません。また、農業活動を通じて、里地や里山など、多くの生きものが暮らす環境が創り出されています。このような農業と生物多様性の相互に支えあう豊かな関係を広めていくことが、私たちの暮らしを豊かにしていくことにもつながるでしょう。
現在、日本の各地で、田んぼや畑に生息する生きものたちの生息環境に配慮しながら生産活動を行い、農業を通じた食料生産と生物多様性保全を両立しようとする取り組みが行われてきています。こうした活動は「生きものマーク」とも呼ばれています。取り組みを行う農家、そしてそれを支持する関係者のつながりづくりを進めていくことが今後一層求められています。
本事業では、これらの取り組みの推進を目的に、取り組み事例の調査や、各種コミュニケーション活動(説明会等の開催、ガイドブック等の作成、情報交換ボードの設置・運営)を実施します。
各種食料生産と生物多様性保全を両立させる取り組みの拡大に向け、農家等の関係者の動機付けを行いつつ、取り組み事例の調査や、 コミュニケーション活動を実施します。